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居合初心者心得
こんにちは。
お約束通り、今回から2回に分けて「居合初心者心得」をご紹介していきます。
第八節 居合初心者心得
本項は故穂岐山先生より、大日本武徳会大阪支部に於ける講習会(自昭和二年至昭和九年)の都度、筆者に賜ひし注意事項を、筆者自身の修養参考として夫々記し置きしものなるも、当流を初めて学ばんとする者のため、多大の参考なるべきを信じ、左に揚ぐ。
(文責在筆者)
一、 初心の間は総ての業を大きく、ゆっくりと行ふ事肝要なり、而して鍛錬を重ね間をつめる事。
二、 総て正面抜付けは、鯉口と切先の縁の切れざる様注意最も肝要なり。
三、 総て正面抜付けの際は、上体は少しも前に俯向けぬ事。
四、 正面抜付けの時、前に踏み出す足と、跪きたる膝頭とは、あまり広く間隔を置かぬ事。
即ち踏み出したる脚の内方角度は、大体九十度を超えざるを度とし後脚の膝頭は上体の直線より、幾分後にあるべき事。五、 正面抜付けより雙手上段に振冠る場合、右手拳は左肩前にとる事無く、抜き付けたる右拳の位置より直ちに頭上にとる事。
即ち先ず左肩前にとり然る後頭上にとるは良しからず、但し刀先は肩の高さより左に廻す。六、 総ての正面抜付け並に正坐血振いの足を踏み揃へたる時は、上体は少しも前に屈めぬ事。
七、 着眼は、動作中は仮想の敵になす。
八、 総ての業に於て真向打下しの手元は、高過ぎて左手首の延切らぬ様注意する事。
九、 納刀のとき刀先を鯉口に運ぶ場合、右手拳を「クルット」揺らぬ様注意する事。
而して納刀動作の最終にも殊更に形の上にて「クギリ」を付けぬ事。十、 納刀の時、鯉口の切先の達したる時右拳は鯉口よりも低くき所より納刀する様留意する事。
十一、正坐納刀の場合、後方に退く足は、十分腰に気力を注ぎて、角張らず、「スーツト」退く事。
而して膝を床に付ける迄は、上体を少しも揺り動かす事無く、極めて静かなるを要す。十二、正坐、附込の血振にて刀を左手にて(スゴク)場合は腰を十分前に入れる事。
十三、奥居合の納刀の場合、始め刀先を鯉口に運ぶ時、右手が高き時は、一旦右拳を(ジワツト)下げて後(スツト)納める事。
十四、附込、介錯、岩浪、の場合ひ始め刀を抜き出す右手拳は鯉口と同じ高さより下らぬ事。
更に此の場合ひ上体が前に屈まぬ様注意する事。十五、介錯の構えたる刀刃は真上よりも幾分後方斜めに向く事。
今回はここまでにさせていただきます。
十、十三に書かれている納刀の右手拳の位置が今我々がやっている事と少し違っているようですね。
これに関しては又機会を作って考察してみたいと思います。
次回をお楽しみに。
2013/08/23 国際連盟ブログ より再掲
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