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柄の長さ
こんにちは。
正統正流無雙直傳英信流の居合を学ぶ我々が使う刀の柄の長さについてお話します。
流派によって、それぞれ掟が違いますので、あくまで我々の話です。
まず、我々が学び伝えんとする偉大なる先輩、河野百錬先生が使われていた刀の寸法
を見て下さい。
その著書、「居合道真諦」からです。43ページ “柄手の参考”の最後にこう書かれております。
◎因みに七寸柄の刀身は、肥前國陸奥守忠吉長サ二尺四寸八分。
七寸五分柄の刀身は、関住、大和守藤原金蔵長サ二尺五寸一分。
ご覧の通り、相当長い刀身ですが、柄は驚くほど短いですね。刀身が長いとバランス上、
柄を長くする必要は、河野先生の差料を見る限り関係ないようです。
写真は、筆者の刀の柄なのですが、七寸五分強です。長サは二尺四寸一分です。
最近の修行者の刀を拝見すると、柄が長い方を多く見受けますが、正統正流を学ばれる
方は、是非とも手の小さい方で七寸~七寸五分。手の大きい方でも七寸五分~八寸二分位を
使っていただきたいと思います。柄を握った両手の間隔は約指2本分と言いますが、この
長さでそう云うことになるかと思います。
百錬先生は、指2本の間隔で、刀の刃筋も立つし、切り替えしにも対応できると書かれています。
また、我々が学ぶ 居業の内「戸脇」「四方切」、立業の内「連立」、抜刀法の内「四方刀」「四方刀2」
抜刀法奥の内「多敵刀」の斜め左後方の敵を突く業では、突いた時に右肘の下に柄が入ることが
掟であり、柄が右肘の外側に出た状態では(木刀で試みると解りますが・・・)敵を充分に突くことは
出来ません。右肘の下に柄を入れるためには、人間の寸法は夫々違ってはいても、長い柄では
実は稽古にならないのです。
これから刀を作ろうと考えていらっしゃる方は、是非とも柄の長さを気にして下さい。模擬刀でも 柄の長さ形を注文できますし、応じられない製作所は避けるべきでしょう。
2013/06/11 国際連盟ブログより再掲
World MJER Iaido Federation
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